何が起きたか
暗号資産交換業者のDMM Bitcoinが管理するビットコイン4,502.9BTCが、2024年5月31日に不正に外部へ送られました。攻撃当時の評価額は約482億円です。現在のビットコイン価格で換算した金額ではありません。関東財務局の発表、警察庁の発表
警察庁は、その後の捜査・分析から、北朝鮮を背景とする攻撃グループ「TraderTraitor」による窃取と特定しました。警察庁の資料が示すのは、暗号資産ウォレットのソフトウェアを提供するGincoの従業員と通信システムを通じた経路です。DMM Bitcoinのシステムへの直接侵入の有無は、この資料からは確認できません。Gincoへの侵害とDMM Bitcoinの資産流出を、ここでは一つの事件の経過として扱います。警察庁の発表
Gincoによると、同社はDMM Bitcoinのシステム開発・運用を担う別の企業にウォレットソフトウェアを提供していました。GincoをDMM Bitcoinの直接の委託先とは説明しません。Gincoの発表
攻撃はどのように進んだか
警察庁の説明によると、攻撃者は2024年3月下旬、採用担当者を装ってGincoの従業員へ連絡し、採用試験を装った悪意あるコードへ誘導しました。その従業員は後に侵害されました。攻撃者は5月中旬以降、従業員になりすますためのセッション情報を悪用し、Gincoの通信システムへアクセスしました。警察庁の発表・1ページ
警察庁は、攻撃者がそのアクセスを利用し、DMM Bitcoin従業員による正規の取引依頼を改ざんしたものと認められるとしています。その結果、4,502.9BTCが失われ、攻撃者が管理するウォレットに移ったと説明しています。DMM Bitcoinの従業員が採用試験のコードを実行した、あるいはDMM Bitcoinのシステムへ攻撃者が直接侵入したとは、この資料からは確認できません。警察庁の発表・1ページ
被害と影響
関東財務局は、4,502.9BTCを顧客からの預かり資産と記載しています。同局は2024年9月、原因の究明、顧客保護、システムのリスク管理の改善などをDMM Bitcoinに命じました。この時点では、具体的な攻撃手口の究明に至っていないとしていました。警察庁による経路と攻撃者の説明は、その後の12月に公表されたものです。関東財務局の発表、警察庁の発表
SBI VCトレードの移管案内では、DMM Bitcoinの顧客口座と預かり資産を2025年3月8日に受け入れる予定と説明しています。その後の報告によると、一部の預かり資産の口座反映は3月9日午前4時頃に完了しました。これらの発表だけで、DMM Bitcoinのサービス終了日や、個々の顧客への補償方法・完了日までは判断できません。
出来事の時系列
| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年3月下旬 | 攻撃者がGincoの従業員へ、採用担当者を装って接触。 |
| 同年5月中旬以降 | Gincoの通信システムへ、従業員になりすましてアクセス。 |
| 同年5月下旬 | DMM Bitcoinの正規取引依頼が改ざんされたものと警察庁が評価。 |
| 同年5月31日 | 4,502.9BTCが不正流出。 |
| 同年5月31日 | DMM Bitcoinが不正流出を公表。第1報の原本は現在取得できず、翌日のbitFlyer発表と国立印刷局の文献表で日付を確認。 |
| 同年9月26日 | 関東財務局が業務改善命令を公表。 |
| 同年12月24日 | 警察庁が攻撃者と経路に関する調査・分析結果を公表。 |
| 2025年3月8日〜9日 | SBI VCトレードが口座・預かり資産を受け入れ。一部資産の口座反映は9日午前4時頃に完了。 |
日付と攻撃の経過は警察庁、関東財務局、SBI VCトレードの発表に基づきます。5月31日の最初の公表日は、bitFlyerの翌日付発表と国立印刷局の文献表(文献242)でも照合しました。DMM Bitcoinの第1報原本は現在取得できません。資産の流出日と、攻撃者が最初に接触した日は異なります。
この事例から分かること
資産を扱うサービスでは、サービス提供者だけでなく、業務でつながる別の企業の従業員や通信システムへの攻撃が被害につながることがあります。この事件の経路は警察庁が調査・分析に基づいて示したものです。一般の利用者が自分の端末の設定だけでこの資産流出を防げた、という事例ではありません。警察庁の発表
旧利用者への案内: 移管後の口座・預かり資産に関する確認は、SBI VCトレードの移管案内から公式の問い合わせ先を確認してください。