何が起きたか
アスクルは2025年10月19日午前、ランサムウェアによる攻撃を検知しました。物流・社内システムの一部データが暗号化され、同日16時半に「ASKUL」「ソロエルアリーナ」「LOHACO」の受注・出荷業務を止めました。攻撃者に一部の情報が窃取・公開されたことも同社の調査で確認されています。10月19日は検知と業務停止の日で、最初の侵入日時は分かっていません。 アスクルの第13報「1」~「3」
被害と影響
物流センターを動かす複数のシステムと一部バックアップデータも暗号化され、出荷業務が全面的に止まりました。外部クラウドサービス上のお問い合わせ管理システムでもアカウントの侵害が確認され、情報の一部が窃取・公開されています。アスクルはネットワークの遮断、認証情報の変更、感染の疑いのある機器の隔離、システムの再構築を進めました。第13報「3」「5」「7」
2025年12月12日時点で、同社が「流出を確認した情報」として公表した区分は次のとおりです。数値は件数であり、同じ人数の被害を意味するものではありません。第13報「2」
| 情報の区分 | 確認済み流出件数 |
|---|---|
| 事業所向けサービスの顧客情報の一部 | 約59万件 |
| 個人向けサービスの顧客情報の一部 | 約13万2千件 |
| 取引先情報の一部 | 約1万5千件 |
| 役員・社員等の情報の一部 | 約2,700件 |
2026年7月30日には、別に約60万件の個人情報について、外部への漏えいの可能性を否定できず、本人通知を追加すると発表しました。事業所向け約55万件と個人向け約5万件の合計です。同社は、この追加対象について外部流出や不正利用は確認しておらず、新たな情報漏えいやシステム侵害ではないと説明しています。前の確認済み件数と足して「確定流出件数」にしません。アスクルの第19報
出来事の時系列
| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年10月19日午前 | ランサムウェア攻撃を検知。ネットワークの遮断などを実施。最初の侵入日時ではない。 |
| 同日16時半 | 3サービスの受注・出荷業務を停止。 |
| 同日 | ランサムウェア感染と受注・出荷業務の停止を第1報で公表。 |
| 10月22日 | 外部クラウドサービスへの不正アクセスが発生。 |
| 10月31日 | 攻撃者が外部へ公開した情報について、同社が初回の確認を完了。 |
| 11月12日以降 | ソロエルアリーナからWeb注文を順次再開。全サービスの全面復旧日ではない。 |
| 12月12日 | 第13報で流出確認済みの情報の区分・件数と調査結果を公表。 |
| 2026年7月30日 | 第19報で、追加約60万件の「漏えいのおそれ」に関する通知を発表。新しい攻撃ではない。 |
時系列は第1報、第13報、第19報、2026年8月4日更新の公式案内によります。
まだ分かっていないこと
業務委託先用アカウントのID・パスワードが漏れた具体的な方法と、最初の侵入日時は確認した資料からは分かりません。アスクルは、VPN機器の脆弱性を悪用した侵入の痕跡は確認されなかったと説明しており、その脆弱性を原因とは書けません。失われたログがあるため、攻撃者が閲覧した可能性のある情報の範囲も完全には特定できないとしています。第13報「3」「6.(1)」
この事例から分かること
物流システムが暗号化されると、通販サイトそのものの侵害が確認されなくても、注文した商品の出荷に影響が出ます。アスクルは、顧客向けECサイトなどのフロントシステムには侵害の痕跡がなかった一方、物流センターの出荷業務は停止したと報告しています。第13報「3-1」「3-2」
利用者向けの案内: 個別通知を受けた人は通知内容を確認し、アスクルや公的機関を装う不審なメールのリンクや添付ファイルを安易に開かないよう同社は呼びかけています。これは流出後の二次被害への備えであり、今回の企業システムへの侵入を利用者が防げたという意味ではありません。第19報「1」