何が起きたか

2020年、カプコンのグループ内ネットワークが不正アクセスを受け、米国と日本の一部機器のファイルがランサムウェアで暗号化されました。メールシステムやファイルサーバーにつながりにくい障害が起き、社内システムの一部の稼働が止まりました。カプコンの初報/調査結果・第4報

同社はその後、個人情報の外部流出も確認しました。2021年4月13日の調査結果では、15,649人分の流出を確認したとしています。これとは別に、顧客や取引先など社外の方の個人情報について最大約39万人に流出の可能性を示しました。後者は確認済みの人数ではありません。カプコンの第3報/第4報

被害と影響

カプコンによると、2020年11月1日23時頃から米国と日本の一部機器がランサムウェアに感染し、ファイルが暗号化されました。翌2日未明にはメールやファイルサーバーへの接続障害が発生。同社は社内ネットワークの一部を停止して調査・復旧を進め、警察へ通報しました。11月1日は感染・暗号化の時刻で、最初の侵入時刻ではありません。カプコンの第4報「1」「2」

個人情報の流出は、11月4日の初報では未確認でした。11月12日に一部の流出を確認し、2021年1月12日の第3報で確認数を16,415人と公表しました。その後の調査で、4月13日の第4報では累計15,649人に修正しています。各時点の発表を現在の確定数として混ぜないようにします。カプコンの初報/第3報/第4報「1」「4」

影響の範囲: 同社は、クレジットカード情報を保有しておらず、その情報の流出はないと説明しました。また、ゲームプレイのためのインターネット接続やダウンロード購入は、攻撃されたシステムを使っていないとしています。これは同社の調査で示された範囲についての説明です。カプコンの第4報「4」

出来事の時系列

日時 出来事
2020年10月(日付不明) 北米現地法人の旧型VPN装置を経由して侵入されたと、後の調査で判断。
11月1日23時頃から 米国・日本の一部機器がランサムウェアに感染し、ファイルが暗号化。
11月2日未明 メールやファイルサーバーへの接続障害が発生し、社内で確認。
11月4日 不正アクセスと障害を初めて公表。この時点では顧客情報等の漏えいは未確認。
11月12日 個人情報9件と一部企業情報の流出を確認。
2021年1月12日 第3報で個人情報16,415人分の流出確認を公表。
4月13日 調査結果の第4報で確認数を15,649人に修正し、侵入経路の見立てと被害範囲を説明。

時系列は初報、第3報、調査結果・第4報に基づきます。

まだ分かっていないこと

2020年10月の正確な侵入開始日と、旧型VPN装置への具体的な攻撃方法は、参照した一次発表からは確認できません。また、被害端末には「Ragnar Locker」を名乗る集団のメッセージがありましたが、これはメッセージに書かれた自称です。攻撃者の身元が独立に確定したという意味にはしません。カプコンの第4報「1」「2」

最大約39万人は流出の可能性がある範囲です。カプコンは、一部ログが失われていて厳密に特定できず、侵害の可能性があるサーバーに保存されていた人数を最大数として示したと説明しています。15,649人と合算して被害人数を増やしません。カプコンの第3報/第4報「4」

この事例から分かること

この事件では、海外拠点の接続機器を起点とする侵入が、国内拠点を含むグループのシステムに広がったとカプコンは判断しました。一つの会社の被害でも、ネットワークでつながった別の拠点へ影響が及ぶことが分かります。同社はその後、VPN装置の確認、監視や不審な動きの検知などを実施済みの対策として報告しています。カプコンの第4報「2」「3」

情報流出の案内を受けた人は、カプコンの公式発表や個別連絡を確認してください。これは流出後の影響を把握するための行動で、最初の侵入を個人が防げたという意味ではありません。カプコンの第3報「3」