何が起きたか

2024年9月14日、当時の藤森工業は、生産管理と会計・販売などを扱うシステムの一部のサーバーで、情報がランサムウェアによって暗号化されていると気づきました。システムを止めた影響で、生産や出荷に関わる業務が遅れ、一部製品の納期にも影響が出ました。9月14日は被害を認知した日であり、攻撃者が最初に侵入した日とは確認できません。藤森工業の2024年9月27日発表

同社は2024年10月1日にZACROSへ社名変更しました。社名変更前後の発表は、同じランサムウェア事件に関するものです。社名変更案内/2025年1月の調査結果

被害と影響

ZACROSは後の調査で、同社と子会社に関する情報の一部が外部へ流出し、インターネット上に公開されていることを確認しました。2024年12月2日の発表では、法人関連情報・取引情報等13件と、そこに含まれる個人情報38件の公開を報告しています。2025年1月9日の資料では、確認済みの個人情報を役職員38人分と整理しました。13件と38人分は種類と単位が異なり、足し合わせる数ではありません。12月2日の発表/1月9日の調査結果

一方、同社が流出の懸念があるとした範囲は、取引先・関係先等143,718人分と、役職員・退職者および家族13,485人分です。これら全員の情報が流出したと確認されたわけではありません。確認済みの38人分と、流出懸念のある範囲を分けて扱います。1月9日の調査結果「1」「2」

復旧と対応

同社は被害を受けたシステムをネットワークから切り離し、外部の専門会社と調査・復旧を進めました。9月27日に安全性を確認したバックアップシステムを稼働させ、10月22日には生産・出荷の体制と生産量が平常と同等に回復したと発表しました。9月27日の稼働開始を、全業務がその日に完全復旧したという意味にはしません。初回の適時開示/10月22日の続報

出来事の時系列

日付 出来事
2024年9月14日 藤森工業が一部サーバーのランサムウェア被害と暗号化に気づく。
9月15日 同社サイトで被害を告知。9月27日の適時開示にこの掲載日が記録されている。
9月27日 被害と生産・出荷への影響を適時開示。バックアップシステムを稼働。
10月1日 社名をZACROSへ変更。
10月22日 生産・出荷が平常と同等の体制・量まで回復したと公表。
12月2日 一部の情報がインターネット上に公開されていることを公表。
2025年1月9日 個人情報の流出懸念の範囲と、確認済みの38人分を整理して公表。

時系列は初回の適時開示、社名変更案内、10月22日、12月2日、2025年1月9日の発表に基づきます。

まだ分かっていないこと

参照した発表では、最初の侵入日と具体的な侵入方法、流出懸念のある対象者全員について実際に情報が持ち出されたかは確認できません。2025年1月9日時点で外部公開を確認できた38人分と、流出懸念の範囲は分けて扱います。ZACROSの調査結果

この事例から分かること

ランサムウェアによる暗号化は、工場の生産や出荷にも影響します。情報については「流出の懸念がある対象」と「外部公開を確認した対象」を混同せずに見ることが大切です。ZACROSから案内を受けた人は、同社の公式発表を確認し、身に覚えのない連絡などは公式窓口へ相談してください。