何が起きたか
NTTコミュニケーションズは2020年5月7日、同社設備への攻撃者による不正アクセスを検知しました。調査では、シンガポールの拠点への攻撃・侵入をきっかけに、国内の運用サーバーへ到達したことが分かりました。国内の工事情報を管理するサーバーには不正アクセスの形跡があり、社内ファイルサーバーへの不正アクセスも確認されています。同社の初報、第2報
不正アクセスは確認されていますが、顧客情報の外部流出は「可能性」として公表されています。「情報が漏れた」と確定した事例にはしません。同社の第2報
どの範囲に影響した可能性があるか
工事情報管理サーバーについて、初報では621社、第2報ではさらに83社の情報が流出した可能性があると説明されました。また、別の社内ファイルサーバーについて、攻撃者が閲覧した可能性のある情報に関係する顧客を188社としています。いずれも確定した流出先・流出数ではありません。工事情報と社内ファイルの二つの範囲に重複があるかは確認できないため、数を足して「合計892社の流出」とは書きません。同社の初報、第2報
同社は第2報で、個人向けサービスの顧客情報は含まれず、クラウドサービスの提供や品質に影響はなかったと説明しています。同社の第2報
攻撃の経路と対応
初報によると、国内の運用サーバーに接続されていた海外拠点が攻撃・侵入され、そこから日本のサーバーへ到達しました。第2報では、窃取された正規のアカウントとパスワードが使用されたことも説明されています。認証情報がどのように盗まれたかは公表資料から確認できません。同社の初報、第2報
同社は、踏み台になったサーバーの停止や通信の遮断を実施し、後にリモートアクセス環境の停止と全社員のパスワード変更を行いました。第2報で示された追加の監視・端末対策は導入方針であり、同時点で完了済みとは扱いません。同社の初報、第2報
出来事の時系列
| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 2020年5月7日 | 不正アクセスを検知。攻撃開始日ではない。 |
| 同年5月11日 | 社内サーバー群の情報が流出した可能性を把握。 |
| 同年5月13日 | 工事情報管理サーバーのファイル流出の可能性を把握。 |
| 同年5月28日 | 初報を公表。 |
| 同年6月19日 | 工事情報に関係する83社の追加可能性を把握。 |
| 同年7月2日 | 第2報を公表。 |
この事例から分かること
複数の拠点やシステムがつながっていると、ある拠点への侵入が別のサーバーにも及ぶことがあります。また、不正アクセスの確認と情報流出の確認は別です。この事例では前者は確認されましたが、後者は可能性として発表されました。同社の初報、第2報
関係者への案内: 対象となる法人顧客には同社が連絡するとしています。具体的な対応は公式な通知で確認してください。